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前田記念腎研究所

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学術活動
2018年

透析装置内配管に貯留する透析液組成変化についての一考察

  • 日付
    2018/10/27
  • 学会・研究会
    第9回関東臨床工学会
  • 発表者
    束原遠
  • 所属
    茂原

【目的】

透析用監視装置および多人数用透析液供給装置の配管にはシリコンチューブが多くの部位に使用されている。シリコン膜は気体透過性が高いため、シリコンチューブ内でも透析液の組成が変化する可能性がある。

本研究では、シリコンチューブ内での透析液の経時的な組成変化を測定し、その影響を検討した。

【方法】

50cmのシリコンチューブ内に透析液を充填し、流速400mL/minで循環させ、5分、10分、15分、30分後のチューブ内透析液濃度の測定を行った。また、シリコンチューブと同内表面積となるフッ素ポリマー系チューブおよびテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを用いて同様に測定を行った。

【結果】

シリコンチューブでは、pCO2が開始時52mmHgから30分後35mmHgまで減少し、pHは7.36から7.54に上昇した。

フッ素ポリマー系チューブおよびPFAチューブでは、pCO2およびpHの変化はシリコンチューブより小さかったが、同様の傾向であった。

【考察】

シリコンチューブ内の透析液は、流動状態において透析液組成が変化することを確認した。

pHの変動は、気体であるCO2の減少によるものと考えられた。

これらの結果から、透析液に液置換された透析用監視装置内シリコンチューブや多人数用透析液供給装置を送液しない状態で循環させている貯留タンクでも同様の変化が起こっていることが考えられる。実験結果より配管の素材を変更することで対応できる可能性が示された。

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