このページの本文へ移動

前田記念腎研究所

menu

学術活動
2018年

透析装置内配管に貯留する透析液組成変化についての一考察

  • 日付
    2018/03/04
  • 学会・研究会
    第22回千葉県臨床工学技士会勉強会
  • 発表者
    束原遠
  • 所属
    茂原

【目的】

透析用監視装置および多人数用透析液供給装置の配管にはシリコンチューブが多くの部位に使用されている。シリコン膜は気体透過性が高いため、シリコンチューブ内でも透析液の組成が変化する可能性がある。

本研究では、シリコンチューブ内での透析液の経時的な組成変化を測定し、その影響を検討した。

【方法】

1.個人用透析装置の透析液供給ラインにシリコンチューブを接続し、透析液を満たした後、10cm毎に鉗子でクランプし、クランプ直後から5分、10分、15分、30分後のチューブ内透析液濃度の測定を行った。

 2.50㎝のシリコンチューブ内に透析液を充填し、流速400mL/minで循環させ、5分、10分、15分、30分後のチューブ内透析液濃度の測定を行った。

【結果】

方法1では、pCO2が開始時52mmHgから30分後35mmHgまで減少し、pHは7.36から7.54に上昇した。

方法2では、pCO2およびpHの変化は方法1より小さかったが、同様の傾向であった。

【考察】

シリコンチューブ内の透析液は、貯留および流動状態において、透析液組成が変化することを確認した。

pHの変動は、気体であるCO2の減少によるものと考えられた。

これらの結果から、透析液に液置換された透析用監視装置内シリコンチューブや多人数用透析液供給装置を送液しない状態で循環させている貯留タンクでも同様の変化が起こっていることが考えられる。

TOP