このページの本文へ移動

前田記念腎研究所

menu

学術活動
2018年

frequent PCIで冠動脈治療に難渋し 中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)の診断に至った1透析症例

  • 日付
    2018/06/29
  • 学会・研究会
    第63回 日本透析医学会学術集会(6/29)
  • 発表者
    渡邉 隆
  • 所属
    茂原

【症例】57歳,男性.2003年糖尿病性腎症で血液透析導入.2013年5月,狭心症で経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行以降,2017年7月までに12回のPCIを必要とした.複数の抗血小板薬,脂質低下薬による治療は奏功しなかった.原因検索として行った核医学検査(BMIPP)でwashout rateの低下を認め,TGCVと診断された.【考察】TGCVは2008年に日本で見出された新規疾患単位で,心筋細胞,冠動脈血管平滑筋細胞に中性脂肪が蓄積することにより心不全,不整脈,虚血性心疾患などを呈する難病である.特発性の潜在患者数は4~5万人とされているが,疾患概念の周知が十分でなく,診断に至る症例は少数である.合併率が高いとされる糖尿病性腎症で繰り返すPCI症例に積極的にBMIPPを行うことは診断上,有用と考えられた.

TOP