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前田記念腎研究所

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学術活動
2010年

携帯端末を用いた透析中のイベント入力システムの開発

  • 日付
    2010/05/24
  • 学会・研究会
    第20回 日本臨床工学技士会
  • 発表者
    鈴木卓
  • 所属

目的

透析支援システムにおいて、透析施行中に発生する様々なイベントデータを入力するには、同じシステム環境でのみ動作する現状がある。そのため入力端末の選択には制限が生じている。今回我々は、小型軽量な携帯端末を用いたwebアプリケーション型イベント入力システムを開発したので報告する。

方法

本システムは、webサーバ、そしてクライアントを携帯端末としたwebアプリケーションである。システム構成はwebサーバにApache、言語にPHP、データベースにMySQLをそれぞれ用いた。また、携帯端末からwebサーバへは無線LANで接続をし、通信プロトコルはHTTPを用いた。入力項目は、スタッフ名、患者名、時刻、イベント内容(愁訴・処置など)とした。また、入力方法はキーボード入力を極力減らすため、主に一覧から選択する方法とした。その際、一覧に無いものはキーボード入力をすることで一覧への自動登録を行った。入力されたイベントデータは、データベースへ時系列に記録することとした。更に他のシステムでのデータ利用を可能とするため、データベースへ患者名、期間を指定して問い合わせ、日本透析医学会が策定した透析情報交換規約であるHeMX(Hemodialysis Record Exchange Format)で出力した。

結果・考察

1.可動性に優れた携帯端末を用いたため、イベントが発生した時点での発生源入力が可能であった。
2.データは、入力された時点ですぐにサーバに送られ、携帯端末内には残らないことから、携帯端末の紛失等があってもデータは保持される。
3.HeMX出力に対応することで、他のシステムでのデータ利用が可能となった。
4.当初、画面表示はとても小さく見難いものであったが、CSSの設定を駆使することで改善された。
5.webアプリ化したことで、汎用性が増したシステムとなった。

結論

入力装置に小型軽量で可動性に優れ、透析装置のメーカに関係なく容易に利用可能である携帯端末を用いた本システムは、有用である。

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