このページの本文へ移動

前田記念腎研究所

menu

学術活動
2010年

セントラル方式によるカ―ボスタ―Pの使用経験

  • 日付
    2010/05/24
  • 学会・研究会
    第20回 日本臨床工学技士会
  • 発表者
    加藤勝久
  • 所属
    茂原

目的

A・B透析液粉末溶解装置、多人数用透析液供給装置を用いてカーボスターPを使用し、各機器における問題点について検討した。

方法

ニプロ社製A透析液粉末溶解装置NPS-50A(50A)B溶解装置NPS-50B(50B)、多人数用透析液供給装置NCS-V(NCS)を対象とし、カーボスターPを用いて使用開始1年間における各装置の状態を観察した。

結果

A透析液粉末溶解装置に関しては使用開始2週間でスクリューフィーダ出口部に粉末が固着しトラブルには至らなかったが、定期的な洗浄が必要であった。また、機械内部にA透析液粉末が付着し、使用開始3ヶ月目には錆び様の付着物が確認されたが、サブホッパー部、スクリューフィーダ部には付着物は認められなかった。付着物を検証した結果、軽度の錆と酸化ブドウ糖であることが判明し、酸化ブドウ糖に関しては、それまで2週間に1回の拭き掃除を週1回の拭き掃除とし、現在は著明な酸化ブドウ糖の付着は認められなくなり、錆に関しても市販の防錆剤の塗布で防錆が可能であった。
更に、使用開始5ヵ月後よりNCSとコンソールの間に設置したETRFに目詰まりが生じ、直ちに交換し原因物質を究明したところケイ素であることが判明し、50A及び50BとNCSの間にフィルタを設置する事により改善した。尚、50B、NCSに関しては大きな問題事象の発生は認められなかった。

考察

50Aに関しては金属部分にSAS316を使用し錆の発生を抑えるよう工夫されているが、更に防錆剤コーティングなどの処理が施された各部材の使用が望まれる。
また、カーボスターPに関しては溶解後にケイ素の析出の問題が認められ機器トラブルの原因になり得るためこれに関しても改善が望まれる。

結論

今後も無酢酸透析液のメリットを最大限に生かしつつ、各問題に対し取り組んでいきたい。

TOP